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【フクシマ・タイムズ】 2013年12月19日 On Fukushima Beach (3)


◆ On Fukushima Beach (福島の渚にて) - その3

ドキュメンタリー映画 “On Fukushima Beach (福島の渚にて)” の抄訳の続きです。
(前回分はこちらにてご覧いただけます。)

(動画はこちらから)
http://www.youtube.com/watch?v=dOSjkEwCc8o

(21:40 – 28:40) 日本への放射線照射 (前半)

東京・北日本から人を避難させないという首相の決定により、パニックと大混乱は回避されたかもしれないが、その結果、何千万人もの日本人が、穏やかに整然と放射線を浴びることになった。

たとえ低線量の被曝であっても、放射線は時の経過とともに人を殺し、不具にし、余命を縮め、奇形を生じる。皮膚のかぶれや極度の倦怠感など、一見無関係な疾患となって現れる。安全な放射線被曝レベルはなく、影響は累積していく。体内に取り込まれたホット・パーティクルは、周囲の組織に放射線を浴びせ、ガンを引き起こす。

だが福島のメルトダウン後、日本政府は、不可解にも公的な放射能測定機器のスイッチを全て切った。また政府は、子供の1年間の許容被曝線量を、1ミリシーベルトから、原発作業員と同じ20ミリシーベルトまで引き上げることまでした。あたかも、政令を定めただけで、魔法の如く子供の放射線耐性が大人と同等になったかのようだった。放射線は、子供や胎児に最も大きな害を与える。子供や胎児の細胞の成長が最も速いからだ。

1986年のチェルノブイリ原発事故によって、全世界で百万人が今日までに亡くなったと推計される。チェルノブイリ原発は、低出力で運転中に部分的な炉心溶融を起こした。それに対して福島第一は、3基がフル出力で運転中に完全炉心溶融を起こしたのである。福島第一の燃料棒には、セシウムだけでなく、プルトニウム製のMOX燃料が含まれていた。

核科学者の Arnie Gundersen 氏の見解では、福島の状況は、最低でもチェルノブイリの10倍は悪い。チェルノブイリは、人口過疎地に位置していたのに対して、福島第一は比較的人口密集地にあり、東京までの距離は250kmしかない。

チェルノブイリ事故の翌年、欧州製の生鮮食品・牛乳はすべて禁じられ、食料は域外から入荷された。対照的に日本では、福島や東北の食品・農産物は安全だとして推奨され、全国に出荷され販売されている。

人気ボーイバンド TOKIO のメンバーがテレビ出演し、東北産の農産物を食べて支持を表明した。彼らはまだ比較的若いので、あと数年間は放射線の病を免れることができるかもしれない。だが、中年司会者の大塚範一は、それほど幸運ではなかった。彼は福島の農産物を番組でよく食べていたが、間もなく急性白血病と診断され入院した。

政府には頼らず、市民が個人でガイガーカウンターを用いて放射線を測定し、安全とされる水準をはるかに超える線量が検出されている。これは、30kmの立入禁止区域内だけではなく、福島から200~500km離れた主要人口中心地でも起きていることだ。

Arnie Gundersen 氏は、事故後ほどなく、実態調査のために東京を訪問し、無作為に5ヶ所の土壌サンプルを検査した。その結果、5つのサンプル全てが、米国ならば放射性廃棄物とみなされる [線量の] 水準であり、処分するためにはテキサスまで運ぶ必要があることが判明した。
「花を摘もうとしたら放射性廃棄物の中にひざまずいていた、と分かったらどう思うだろうか。それが、いま東京で起きていることだ。」

著名な物理学者である Paolo Scampa 博士は、東京駅の放射線の測定値が、1時間当たりに許容される「人工」被曝線量の 25倍に相当することを発見した。この結果は [米国の退役軍人向けサイト] Veterans Today に発表された。同サイトは、東京駐在は死刑宣告に等しいとして、東京駐在の米軍人の退避を求めた。米軍人に当てはまることは、福島から200~300km圏内に住む日本人にも当てはまるに違いない。

ご参考) 当該記事

http://www.veteranstoday.com/2012/02/25/evacuate-tokyo-and-all-us-forces-from-japan/

(抄訳の続き – その4- はこちらにてご覧いただけます。)