米ニューメキシコ州カールスバッド郊外にある放射性廃棄物地層処分試験施設 (WIPP) で放射能が検知された問題について、事態が深刻なことが徐々に明らかになってきました。同施設は地下約600メートル超にある岩塩層を利用しており、軍事用核廃棄物の深地層処分を1999年から行っています。福島に続き米国でも重大事故が発生したことは、やはり天からの大いなる警鐘でしょうか。
◆ 2014年2月28日付 米NPR (公共ラジオ網)
- 職員13人が、放射性アメリシウムを吸入。
- 大きな塩の塊が天井から崩落して、廃棄物の入ったドラム缶を破裂させた可能性が高い。
- ニューメキシコ大学が運用している観測装置が、地表でアメリシウムとプルトニウムを検知。
- 事故は、この米国唯一の核廃棄物処分場にとって大きな失点になりつつある。さらに、遅れに遅れている原発の放射性廃棄物の地下貯蔵計画を、またもや後退させる可能性がある。
◆ 2014年2月28日付 米ワシントン・ポスト (AP通信記事)
- 職員13人が放射能に被ばく。検査でアメリシウムの痕跡を検出。
- 現場から約800メートル離れた観測装置で、空気中に [通常より] 高い値のプルトニウムとアメリシウムが検知されている。
- 冷戦期に作った核兵器からの大量の放射性廃棄物の処分場選定に、米国は長らく苦闘してきた。WIPP は、年間50億ドル (約5千億円) にのぼるエネルギー省 (DoE) の廃棄物処理計画の要であるが、この事故は同施設に疑問を投げかけるものだ。
◆ 2014年2月27日付 アルジャジーラ・アメリカ
- Fairewinds (NPO) の Arnie Gundersen氏は、エネルギー省 (DoE) がまだデータを隠し持っている可能性を示唆。放射能漏れは、当初考えられていたよりも大きい可能性あり。
◆ 2014年2月27日付 米ニューヨーク・タイムズ
「ニューメキシコ核廃棄物処分場の職員 放射性物質を吸入」