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【FT解説】 世界を敵に回す安倍・NHK


先日ご紹介しました、NHK 批判の続報です。  ( 【フクシマ・タイムズ】 2014年2月1日 )

1月31日付 ニューヨーク・タイムズのNHK 批判記事に続き、欧米主要メディアがこの問題を次々に取り上げ、NHK 批判から安倍政権批判へと発展しそうな勢いです。本日ご紹介する記事を読むと、安倍氏および安倍氏の任命したNHK 経営委員が、危険な「歴史修正主義者 (revisionist)」であると認識されていることが分かります。中韓だけでなく欧米をも敵に回して、世界の中で日本を孤立化させている安倍首相の危険な姿が、くっきりと浮かび上がってきます。

◆ 2014年2月5日付 英フィナンシャル・タイムズ (紙媒体)

「安倍氏がスイッチを入れたことで、NHK 批判が巻き起こっている」
(Abe switches on acrimony at Japan national broadcaster)

  • NHK の報道姿勢はリベラル寄りに偏向している、とこれまで騒いでいた日本の右翼は、今や安倍首相という味方を得た。
  • 安倍氏が主導した NHK 経営委員の入れ替えは、安倍氏が日本の文化機関・教育機関を作り変える取り組みの一環だとみなす者もいる。
  • 籾井会長が描く NHK 報道のビジョンは、「不偏不党」とプロパガンダを混同しているように思われる。
  • 政権にとって不愉快な報道を、NHK 経営陣が抑え込もうとしている、という声が NHK のインサイダーらから上がっている。元 NHK 記者の川崎泰資氏: 「今は、発言したら身に何が降りかかるか分からない、という雰囲気だ。それが自己検閲につながる。」
  • 原子力は、安倍自民党にとって厄介な問題となっている。福島原発事故を受け、国民の大部分は原発に慎重な姿勢であるにもかかわらず、安倍自民党は原発の継続的使用を支持している。
  • 安倍氏が指名した二人のNHK 経営委員の発言を紹介。 (1) 百田尚樹氏が南京大虐殺を否定した発言。(2) 長谷川三千子氏が新聞のコラムに書いた、「女は家で育児が合理的」という発言。

(ご参考) FT電子版の記事はこちらです。コンテンツは購読者限定です。 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/33e00cbe-8d72-11e3-9dbb-00144feab7de.html?siteedition=uk#axzz2sRvwiwYt

◆ 2014年2月4日付 英 BBC

「NHK の経営委員が南京大虐殺を否定」
(Governor of Japan broadcaster NHK denies Nanjing massacre)

  • NHK の新会長が、日本政府による戦時中の性的奴隷の使用をめぐる発言で騒動を起こした [わずか] 数日後に、NHK の経営委員 (訳注: 百田尚樹氏) が南京大虐殺を否定した。

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-26029614

◆ 2014年2月4日付 サウス・チャイナ・モーニング・ポスト (香港の新聞)

「日本政府、南京大虐殺を否定したNHK 経営委員を弁護」(AFP通信記事)
(Japanese government defends NHK director who denied Rape of Nanking)

http://www.scmp.com/news/asia/article/1420651/japanese-government-defends-nhk-director-who-denied-rape-nanking

◆ 2014年2月5日付 France 24

NHK 経営委員の長谷川三千子氏が、1993年に朝日新聞東京本社内で拳銃自殺した右翼活動家の野村秋介氏を礼賛していた件を紹介。安倍首相の激烈な国粋主義に NHK がおとなしく同調している、という懸念の声があると報じた。

http://m.france24.com/en/20140205-japan-broadcaster-manager-lauds-ritual-suicide/

参考記事) http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/05/nhk_n_4728020.html?utm_hp_ref=japan

◆ 2014年1月29日付 タイム誌

「米国も第二次大戦で従軍慰安婦を使った、というNHKの主張を米国は否定」
(U.S. Rejects Japanese Broadcaster’s Claim It Used ‘Comfort Women’ in World War II)

籾井氏の発言を、日本の保守指導層による一連の「歴史修正主義 (revisionist)」発言に連なるものと位置づけている。また、百田尚樹氏原作の映画「永遠の0 (ゼロ)」に触れ、主人公 (戦闘機パイロット) が米軍空母に神風攻撃を仕掛ける結末を紹介している。

http://world.time.com/2014/01/29/comfort-women-japan-us-wwii-katsuto-momii-nhk/