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【フクシマ・タイムズ】 2014年2月6日 映画「福島の女たち」


◆ 2013年11月26日付 Nuclear Hotseat #127

映画 “Women of Fukushima (福島の女たち)”、および福島第一原発避難民へのインタビュー。

http://www.nuclearhotseat.com/1576/

1. 映画 “Women of Fukushima (福島の女たち)” 。全編日本語。

http://vimeo.com/52808567

(一部抜粋して文字起こし)

「誰も住まないもんだから、泥棒入りたい放題でしょ。コンビニの中の物は盗まれて。日本人はとてもマナーがいい、とかって報道されたじゃないですか。(中略) 本当に、日本の国ってそういう綺麗なところばっかり言ってるけど、震災のその晩だって。一時帰宅したときに、町内のコンビニはもう荒らされてた。」

「泥棒よりひどいことしてるのが、政治家と電力会社と、日本の経済のためには原発 要 (い) るなんて言ってる奴らだと思うけど。泥棒も悪いよ。悪いけど、それの上を行く。情報の操作。日本人は騙 (だま) されてきたんだよね。」

「マスコミは本当のことを書きません、日本のマスコミは。裏では全部つながってるらしいですよ。政府の責任者と、大手のマスコミ、それから電力会社、全部。」

「今の政治家を選んだのは、私たち一人一人なので。(中略) 一人一人が変わらなければ、政治家も変わらない訳で。」

「今まで原発を作ってきたのは男たちです。お金が大事だという男たち。そこを変えたいと思っているの、女たちのやり方と感性で。一番大事なのは、命であり、健康であり、子供たちがすくすくと育つことだから。そのためには原発は要らないし、お金よりも大切なものがあると私たちは訴えている。

若い人、東京を中心にあれだけの人 (20万人) が [デモに] 出てくるようになったというのは凄いことで、今までのことを思えば。あきらめなくてもいい、と。私は、東電と国はもちろん許せないけど、逆に力をもらっていますよ、20万人の人たちが集まった、と。

「こんなひどい国を、このまま遺 (のこ) していけないと思うんですよね。道は長いかもしれないけど、一人一人が変わっていくしか、国を変えられないと思うから。」

 

2. 福島第一原発避難民 Setsuko Kida さんのインタビュー (米国で収録されたもの)

日本人向けに日本語のみに編集された音声ファイル (英語通訳部分を割愛したもの) http://lhalevy.audioacrobat.com/download/aa5dde9a-7fbf-4ca7-9b8e-b877a9b8b7b7.mp3

(音声の 30:08 から文字起こし)

東電は原発を爆発させて、大気を汚しています。山や川も汚染されています。それを東電は、東電の敷地から出た物は東電の物ではない、と言い張っているんですね。おかしなことなんですが。山とか川は、結局は国が除染しています。国ということは東電も一緒なのですが、破綻状態なんですから。

福島県全体が汚染されてしまっている。わずかに残った汚染されていない鮫川村という所に、簡易式の焼却炉を作ったんですね。工事を請け負っているのは日立造船です。地権者でも何でもないのに。鮫川村の地権者の中で1-2人、反対で同意書も出していない人がいるのに、全てが同意書を出したと言って、工事を始めてしまったんですね。

そこで燃やす物というのは、福島第一原発の爆発で放出された放射能のために汚染されてしまった、牛のエサ用の藁 (わら) だとか、除染で出てしまった木の枝や葉っぱや土。それを環境省は、低レベルの放射性廃棄物が除染が進むにつれてどんどん増えていくので、それを減容化 (=小さく) して中間処理場に保管するために燃やすということを考え出したんですね。でも、専門家は「絶対燃やしたらダメだ。」 燃やしたら大気を汚してしまい、降った雨によって地面に染み込んで、その水を福島の人たちは生活用水で飲むんですからね。絶対ダメだと言っているのに、環境省は進めたんです。

鮫川村の焼却炉は [2013年] 8月19日に稼働しました。10日後に爆発しました。その修理が終わったので、今再稼働しようとしています。再稼働しますというので、村人に住民説明会を開いたんですね。その住民説明会 [への参加] は「鮫川村の住民しかダメ」と言ったんですが、鮫川村はたくさんの市や町の生活飲料水の水源地 になっているので、下流の人たちも「説明会に参加させてくれ」と言ったら、それをボイコットされたんですね。

委任状をもらってそこに入って [話を] 聞いていた女性を、環境省の人たちは恫喝 (どうかつ) しています。他の人の前では、にこやかな笑顔で接しながら。彼女はもう一年以上前から抗議をして、もの凄いたくさんのデータを取って反対しているので、 環境省の役人は彼女のことを知っているので、他の住民には優しくしゃべり、彼女には「分かってるんだろうな」と恫喝して、とにかく排除しようとして。そんなことが今、福島で起ころうとしています。

いっぱい言いたいことはあるんですけど。日本の国は原発の爆発で放射能汚染したんですけど、日本の政府も進んで大気を汚染させようとしています。日本の情報をもっと知ってください。一生懸命、情報収集してください。日本は、私たちのような知っていることをどんどん言おうとしている人たちを排除するために、自民党と公明党の政権が、秘密保護法という法律を通過させようとしています。(注: この法案は昨年すでに可決済み。) これが出来たら、もう私たちは知っていることを言うことができなくなるんです、国内でね。海外では言うことができても、言うだけ言って日本には帰れなくなるかもしれない。

実は、海兵隊の裁判のこともあったんですけど、私たちが知っていることを言えるチャンスはもうやって来ないかもしれないと思って、「日本がやろうとしていることを知ってください」と言うために [米国に] 来ました。

本当にたとえようもないくらい頭に来る。どう考えたって、この日本の国の政府のやっていることはおかしいだろ、と。海も汚し、山も汚し、そして自分の手で放射能をまき散らかして、その国でオリンピックやる!? 東京オリンピックの「おもてなし」は、放射能でおもてなしするのか、っていうくらい政府のほうが本気でやっていない。そんな道理にかなわないことで本当におかしい、それに対して頭に来たことを言うときに、怒りの極限に達した言葉を、東北では「ごせやける」と言います。