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- マリーナ・アブラモヴィッチの「スピリット・クッキング」
マリーナ・アブラモヴィッチが、1997年6月1日にイタリアのパリアーノで行った「スピリット・クッキング」という催し(?)の映像がある。その様子は、「スピリット・クッキング」とは、「パフォーマンス・アート」を装った悪魔崇拝の儀式なのではないか、という疑念を抱かせるものだ。
(動画)MARINA ABRAMOVIC SPIRIT COOKING
Zerynthia – Association for Contemporary Art
Paliano, Italy
1st June 1997
映像の中で、マリーナは血のように見える液体で壁に「レシピ」を書き付けている。その「レシピ」は次のようなものだ。
MIX FRESH BREAST MILK WITH FRESH SPERM MILK
DRINK ON EARTHQUAKE NIGHTS
(新鮮な母乳と新鮮な精子を混ぜる
地震の夜に飲め)
WITH A SHARP KNIFE
CUT DEEPLY INTO THE MIDDLE FINGER OF YOUR LEFT HAND
EAT THE PAIN
(鋭利なナイフで
左手の中指に深く切り込みを入れる
痛みを食べろ)
FRESH MORNING URINE
SPRINKLE OVER NIGHTMARE DREAMS
(新鮮な朝の尿
悪夢に振りかけろ)
これらの「レシピ」は、マリーナの1996年の著書『SPIRIT COOKING with essential aphrodisiac recipes(スピリット・クッキング 必須媚薬レシピ付)』に記されているものだ。「媚薬」という言葉は、スピリット・クッキングが性欲や性的興奮を呼び覚ますことを示唆している。
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(出典)
Marina Abramovic’ – Spirit Cooking
https://www.editionjs.com/img/abramovic
マリーナが壁への書き付けに使っている液体は「豚の血」ということだが、人の血液ではないことを祈るばかりだ。
マリーナは部屋の隅に立てかけてある子供の人形(ひとがた)のような物に、凝固しかかった血のような液体を注ぎかける。見世物用に人形を使っているが、儀式「本番」では本物の子供を使っているのだろうか?
(出典)2023年9月23日付 sporstkeeda 記事
What is spirit cooking? Marina Abramovic satanist and Rothschild conspiracy explored amid Zelenksy ambassador backlash
https://www.sportskeeda.com/pop-culture/what-spirit-cooking-marina-abramovic-satanist-rothschild-conspiracy-explored-amid-zelenksy-ambassador-backlash
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「スピリット・クッキング」は、「光のケーキ」の儀式を現代に再現したものだ、という指摘がある。「光のケーキ」とは、アレイスター・クロウリー(イギリスのオカルティスト、O.T.O.(東方テンプル騎士団)の指導者)が創始した宗教「セレマ」における聖餐、聖体(sacrament)である。「光のケーキ」の材料には、蜂蜜、油、月経血、精液が含まれる。
(出典)Everipedia 「Spirit Cooking」の項
https://web.archive.org/web/20170821042807/https://everipedia.org/wiki/spirit-cooking-marina-abramovic/
(参考)ウィキペディア日本語版「セレマ」の項より抜粋
「クロウリーは東洋の実践と黄金の夜明け団に由来する西洋魔術の実践を統合した。彼は以下に挙げるような多くの実践を弟子に推奨した。
基本的なヨーガ:(アーサナとプラーナーヤーマ)
小五芒星の儀式:追儺と召喚(黄金の夜明け団)
Liber Samekh:聖守護天使の召喚の儀式
Liber Resh:太陽に対する日に4度の礼拝
魔法日記をつける
性魔術:自慰、異性愛、同性愛を含む様々な形の実践」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%9E
(出典)Everipedia 「Thelema」の項
https://web.archive.org/web/20190516032702/https://everipedia.org/wiki/lang_en/Thelema/
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アレイスター・クロウリー(生:1875年10月12日 -没: 1947年12月1日)
(参考)ウィキペディア日本語版「アレイスター・クロウリー」の項
「アレイスター・クロウリー(アリステア・クローリイ、Aleister Crowley、1875年10月12日 – 1947年12月1日)は、イギリスのオカルティスト、詩人、著述家、登山家。魔術教団 A∴A∴(銀の星)、 O.T.O.(東方テンプル騎士団)の指導者。著作の大半は、彼が呼ぶところの『Magick』(魔術)に関するもので、西洋魔術、西洋近代のオカルティズムから出発し、麻薬を使った魔術や性魔術の研究を行い、性魔術を通じてインドのタントラに接近していったとみなされている。哲学、文化、政治についても執筆し、社会批評にも熱心だった。妻ローズ・クロウリー(英語版)を通じて啓示を得たとし、自身を新しい時代の預言者だと考え、創設したセレマ(テレマ)宗教運動を推進した。一時所属した黄金の夜明け団の知識や儀式を無許可で一般に公開してオカルト業界を騒がせた。
悪魔を意味する黙示録の『獣 666』を名乗り、『偉大なる野獣』『現存する最も邪悪な男』として世に知られることを望み、派手な演出でマスコミに登場し、生涯そのイメージを演じ続けた。バイセクシュアルであることを公にしており、波乱に満ちた人生、デカダン(退廃)的な生き方、繰り返される薬物の使用、性魔術、秘教的で怪しげな儀式・精神修行の実践等により、世間で物議をかもした。」
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