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【あまのじゅく メモ No.9】マリーナ・アブラモヴィッチとスピリット・クッキング(カニバリズム編)

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2023年9月、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ユーゴスラビア出身のパフォーマンス・アーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチにウクライナ大使就任を要請した、と報じられた。ロシア-ウクライナ紛争をめぐりウクライナ支持の姿勢を打ち出していた彼女に、ゼレンスキーが、ウクライナの学校再建を依頼したのだという。

(出典)2023年9月22日付 テレグラフ記事
Zelensky asks Marina Abramovic to be ambassador for Ukraine
https://web.archive.org/web/20230922141641/https://telegraph.co.uk/world-news/2023/09/22/zelensky-asks-marina-abramovic-ambassador-ukraine/

Marina_Abramovic_Snake

マリーナ・アブラモヴィッチ(生:1946年 11月30日 -)

この報は、「Q」フォロワー達の間で話題になった。なぜなら、マリーナ・アブラモヴィッチは、悪魔崇拝者だという疑念が持たれている人物だからだ。今回の【あまのじゅく メモ】は、このマリーナ・アブラモヴィッチについて取り上げてみたい。

  • マリーナ・アブラモヴィッチの「作品」

マリーナ・アブラモヴィッチは、自身の肉体に暴力を加える過激なパフォーマンスで世界的に知られる。

wiki)_Marina_Abramovich

(出典)ウィキペディア日本語版「マリーナ・アブラモヴィッチ」の項
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%81

(参考)2020年3月30日付 MUTERIUM Magazine 記事
衝撃的な身体パフォーマンス作家、マリーナ・アブラモビッチのアート作品
https://muterium.com/magazine/modern-art/marinaabramovic/

「Art must be beautiful, artist must be beautiful(アートは美しくなければならない、アーティストは美しくなければならない)」(コペンハーゲン、1975年)

(出典)2014年7月29日付 VOGUE Ukraine誌
ЖУРНАЛ: арт-проект Марины Абрамович для Vogue Украина
29 липня 2014
Культура
https://vogue.ua/article/culture/zhurnal-marina-abramovich3706-3706.html

マリーナ・アブラモヴィッチが悪魔崇拝者だと言われる所以については、説明に多くの言葉を費やすよりも、実際に彼女の「パフォーマンス」と「作品」を観ていただくのが、理解の早道だと思う。

Marina_Abramovic_Lips_of_Thomas

「Lips of Thomas(トーマスの唇)」(1975年)

自らの腹に逆五芒星を刻んだマリーナ。逆五芒星は、デビルスターとも呼ばれ、悪魔の象徴とされる。

(出典)Irish Museum of Modern Art(IMMA、アイルランド現代美術館)
Marina Abramović, b.1946
Lips of Thomas, 1975
https://imma.ie/collection/lips-of-thomas/

Marina_Abramovic_Rhythm_5_art21.org

「Rhythm 5(リズム5)」(1974年)

燃え盛る五芒星(ペンタグラム)の中に身を横たえるマリーナ。表向きの説明としては、彼女がユーゴスラビア出身であることから、「共産主義の象徴である赤い星を作り、その炎のなかに横たわって政治的メッセージを表現しようとした」(ウィキペディア日本語版「マリーナ・アブラモヴィッチ」の項)作品だとされる。だが、実際には悪魔崇拝の儀式だったのでは?

(出典)art21.org
Artwork Survey: 1970s
Marina Abramović
https://art21.org/gallery/marina-abramovic-artwork-survey-1970s/#/4

Marina_Abramovic_goat_head_vogue.ua

頭から血を流すヤギの角を持つマリーナ。

「ヤギの角」はサタンの象徴と言われる。

「これはイエス・キリストの説教に由来しているものとされ、イエス・キリストが自らに忠実な信者を『ヒツジ』として表現した一方で、それ以外の異教徒や悪魔を『ヤギ』に例えたことに由来しています。」

(出典)2020年3月4日付 「雑学サークル」記事
サタンとは?ルシファーとの関係や聖書、息子マモンなど解説
https://zatsugaku-circle.com/satan/

なお、この写真は、2014年7月29日付 VOGUE Ukraine(ヴォーグ・ウクライナ)誌に掲載されたものだ。マリーナ・アブラモヴィッチとウクライナのつながりを示すものとして興味深い。

(出典)2014年7月29日付 VOGUE Ukraine誌
ЖУРНАЛ: арт-проект Марины Абрамович для Vogue Украина
29 липня 2014
Культура
https://vogue.ua/article/culture/zhurnal-marina-abramovich3706-3706.html

Marina_Abramovic_two_horns_nyculturebeat.com

二本角をこめかみに着けたマリーナ・アブラモヴィッチ。この二本角は、バフォメットの象徴だろうか?

(出典)2012年6月14日付 nyculturebeat.com記事
Performance artist Marina Abramovic
https://www.nyculturebeat.com/index.php?mid=People2&document_srl=204899#

wiki)_Baphomet_by_Eliphas_Levi

バフォメット

Marina_Abramovic_Cleaning_the_Mirror_1995

「Cleaning the Mirror(鏡掃除)」(1995年)

骸骨に着いた泥を落としていくマリーナ。彼女の作品には骸骨が頻出する。

(出典)
Moderna Museet, Stockholm(ストックホルム近代美術館)
https://www.modernamuseet.se/stockholm/sv/utstallningar/marina-abramovic/finissage-marina-abramovic/

Marina_Abramovic_Balkan_Baroque_1997

「Balkan Baroque(バルカン・バロック)」(1997年)

血の着いた骨の山の上に座るマリーナ。

(出典)2023年9月22日付 DW 記事
Nudity, blood and pain: Revisiting Marina Abramovic’s work
https://www.dw.com/en/nudity-blood-and-pain-revisiting-marina-abramovics-work/a-59975893

Marina_Abramovic_Dragon_heads_1990_artribune

「Dragon heads(竜頭)」(1990年)

「ヘビ」を頭と首に巻いたマリーナ。旧約聖書の中で、サタンは人間を誘惑する「ヘビ」として現れる。

(出典)2016年4月29日付 artribune.com
Il serpente simbolo del Male. Dal folklore al contemporaneo
https://www.artribune.com/attualita/2016/04/serpente-folklore-arte-contemporanea/

Marina_Abramovic_Witchs_Cross_Glastonbury_bbc

2024年6月28日、英国のグラストンベリー・フェスティバル(音楽フェス)のステージに登場したマリーナ・アブラモヴィッチ。身にまとっている白い布は、平和・反戦を表す「ピース・シンボル(peace symbol、☮)」の形である。だが、この記号には「witch’s foot(魔女の足)」や「crow’s foot(カラスの足)」という異名があり、本当は反キリスト、逆さ十字、折れた十字架を意味する悪魔主義の象徴なのだという説がある。

この日、77歳のマリーナ・アブラモヴィッチが、7分間の黙祷を捧げたことを備忘として記しておく。

(出典)2024年6月29日付 BBC記事
Glastonbury holds seven-minute silence for peace
https://www.bbc.com/news/articles/crg40vr2p0vo?trk=public_post_comment-text

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