投稿記事

【フクシマ・タイムズ】 2014年4月1日 子供のがんリスクは過小評価


◆ 2014年3月20日付 Fairewinds.org(NPO法人)

動画 「福島第一原発周辺の、子供たちのガン発生リスクは過小評価されている」
(2013年に公開された動画の再掲)
http://fairewinds.org/cancer-risk-young-children-near-fukushima-daiichi-underestimated/

(日本語字幕つきバージョンは、こちらから)

(0:00-6:32) Arnie Gundersen 氏 (Fairewinds代表):

  • 日本からの気になる報道を2つ。
  1. NHK報道(2011年12月17日付)「福島第一原発に近い立入禁止区域内で、スギの雄花から25万ベクレル/kg を超える極めて高い濃度の放射性セシウムが検出された。」
    春になれば、スギ花粉と共にこの放射性セシウムが飛散するから重大だ。林野庁の報告は、「これは東京新宿区の背景放射線量の10倍程度で、健康に大きな影響があるとは考えられない」 としている。だが、25万ベクレル/kg の放射性セシウムが飛散するとすれば、国民の健康の観点から注意を喚起すべきだ。
  2. 報道(注1)によれば、福島県でイナゴから4千ベクレル/kg の放射性セシウムが検出された。 記事では、酒の肴として食べる位の量なら安全としている。だが、食べている昆虫が 4千ベクレル/kg の放射性セシウムを帯びているとすれば、懸念すべきだ。
  • 全米科学アカデミー (NAS) の「電離放射線の生物学的効果 (BEIR)」に関する報告書によれば、ガンの罹患率は放射線被ばく量に比例する。1シーベルトに被ばくすれば、ガンにかかる確率は 1/10。100ミリシーベルトなら、ガンにかかる確率は1/100。10ミリシーベルトなら、確率は 1/1000 だ。
  • 日本政府は、年間 20ミリシーベルトの汚染地域に住民が帰るのを許可しようとしている。もし帰還すれば、ガンにかかる確率が [年間] 1/500 だという意味だ。
  • だが、この BEIR 報告書の数値は、人口全体すなわち老若男女の平均値だ。若い人の方が、細胞分裂が早く、余命が長いので、ガンにかかる可能性が高い。若い女性では、人口全体 [の平均値] に比べ、ガンにかかる率が5倍高い。つまり、女の子が年間 20ミリシーベルトの汚染地域に帰還すれば、100人に1人がガンにかかることになる。これは、汚染地域に1年居た場合の話だ。5年居れば、100人に5人だ。
  • BEIR 報告書は、ガンしか考慮していない。放射線にはガン以外の影響もあるから、実際はもっとひどい。また、同報告書は、内部被ばくの影響も考慮していない。

(注1) Gundersen 氏は、ジャパンタイムズ紙の報道と述べているが、ウォール・ストリート・ジャーナルの 「ジャパン・リアルタイム」 の誤りと考えられる(2012年1月13日付記事)。 http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/01/13/for-japan-locust-eaters-a-plague-of-cesium/

———

(6:32-25:30) Ian Goddard 氏:

  • 日本の年間 20ミリシーベルトの許容被ばく量は、安全ではない。子供、特に女の子が、ガンにかかるリスクが最も高い。
  • この全米科学アカデミー (NAS) のデータは、無料で主要メディアや政府に公開されているが、彼らは国民に本当のリスクを知らせずに、20 ミリシーベルトの放射線は安全だとか、その影響は不明だとか言っている。もっと酷いことに、主要メディアは、低線量被ばくリスクモデルが存在しないと、国民に信じさせようとしている。
  • 15ヶ国の原子力労働者 40万人の調査結果(2007年)。被ばく量とガン死亡率に顕著な相関。調査した労働者の平均被ばく量は、年 2ミリシーベルト (福島の年間許容被ばく量の 1/10) だったが、ガン死亡率の増加が観られた。
  • 最近の研究結果によれば、長期にわたる低線量被ばくは、従来考えられていたよりも、ガンを引き起こすリスクが高い可能性がある。