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【フクシマ・タイムズ】 2014年1月22日 炉心は地下に貫通か


◆ 2014年1月21日付 在日スイス大使館 科学技術部

在日スイス大使館が、福島第一原発の「放射能汚染水漏れの最新状況 (2013年12月)」という資料の中で、溶け落ちた核燃料の現状を示す分かり易い図をウェブサイトに掲示しました。

http://enenews.com/image-published-embassy-japan-shows-fukushima-melted-fuel-deep-underground-photo

核燃料 (溶融炉心) はすでに地中深くまで達し、それと接触した地下水が高濃度の汚染水となって、海に流れ込んでいます。同時に、燃料はまだ非常に熱いため、水が熱せられて湯気となって地上に出てきています。

その後、この図は差し替えられ、今は別の (当たり障りのない) 図が掲載されています.

(差し替え後の図)
http://www.stofficetokyo.ch/reports/201312_Contaminated_Water.pdf

同大使館は、「元の図は、地下水が原発の下を通って海に流れ込む様子を表現しようと意図したもので、 炉心の深さの尺度は正しくない。誤解を招いたことは遺憾」 という文をサイトに掲載しました。

(塾長コメント)
大使館がケアレスミスで間違った図を公表するとも考えにくく、おおかた、東電広報部の担当者 (社畜 (しゃちく)) が気付いて、慌てて指摘して大使館に差し替えてもらったのでしょう。電力会社の広報部とは、世論を原発推進に誘導するための小細工を仕事として行っている、ヒマ人の集団です。 (一般人のふりをして、ニュース番組の視聴者意見コーナーに電話を掛けたり、新聞の投書欄にハガキを書いたり、ネット掲示板に書き込みをしたりしている。) その人たちの給料も、国民が払う電気料金に上乗せされています。告発小説「原発ホワイトアウト」を読むと、そのことが分かりやすく描かれています。

そんなに慌てて隠さなくても、大丈夫。もうみんな本当のことに薄々気付いているよ。

◆ 英国のドキュメンタリー番組「Nuclear Ginza (原発銀座) パート2」(1995年)

原発作業者やその家族、関係者に取材した約20年前の貴重な映像。日本語字幕あり。福島の現状を見るにつけ、この当時から悲惨な状況は変わっていないことが分かります。

https://www.youtube.com/watch?v=t7okfjwy4Vw

元原発作業者:
歯がボロボロ欠けるんです。上の歯は全然ありません、入れ歯です。毛も抜けました。」

解説:
歯茎や耳鼻から出血のある人もいた。彼らは、被爆直後から具合が悪く、下痢やひどい倦怠感に苦しんでいる。彼らに言わせれば生ける屍だという。外見は何でもなさそうだが。精巣や目の障害も少なくない。慢性貧血や、皮膚、甲状腺、骨、喉頭、咽頭、肺の腫瘍なども多い。歯や髪が抜け、感染しやすくなり、老化が早まり、憂うつで、不安になる。傷ついた染色体の遺伝を恐れて子供を作らない人もいる。」

寺の住職:
「農民や漁民の方たち、それから最も差別を受け抑圧されてきた底辺の労働者たちは、自分の健康や命を切り売りしてまで、原発の中で働いてきた訳です。」

解説:
「原爆を落とされた唯一の国が、自国の原発で同じ被害を作り出しているなんて。我々はこんな国に住んでいるんだ。」

証言者:
「原発労働者も、原爆被爆者と全く同じような症状が出てる訳です。ガン以外であっても、内臓疾患とか血圧とか色んな内臓の障害が出て、起きること自体がつらいです。」

寺の住職:
「現在で29万人の人たちが、放射線を浴びる労働をしていると言われています。」

原発作業者の息子を白血病で亡くした両親:
「どんな病気でもなくなる時には親は悲しいでしょう。だけども白血病で死ぬ時のあのつらさを・・・ついて見ているのは忍びないですねぇ。

元原発作業者:
「最初は、日本原燃の白紙の小切手を持ってきた訳です。それで、貴方の体を元通りにすることは到底不可能だから [と言って]、ともかくカネで解決しようとする。」

寺の住職:
「沈黙をお金で買われている姿でありまして、日本の原発を受け入れている地域では、残念ながら民主主義が破壊されてしまっている、悲しい状況があります。」

証言者:
「労働者を、品物か工具のような扱いをして、使い捨て、切り捨て、なりふり構わないというのが大企業だと思います。日本の国は、豊かな国だ、先進国だ、民主主義だ、と言っているけど、全く絵に描いたモチだと思いますよ。

元原発作業者:
今も [同じことが] 行われていると思うんですよ。表に出て来ないだけで。私も聞いています。お金を、2千万も3千万も貰 (もら) ったとか言って。お金で口封じをしている訳です。」

解説:
「[この映画を作った時点から] 20年前には、10年以内にこんな状況は改善できると考えていたのだが、反対に日本は原発を作り続け、状況はさらに悪化した。被爆者は体内に時限爆弾を抱えている。ガンの潜伏期間は約25年、それは日本が原発を作り続けてきたのと同じ歳月だ。今こそ真実が明かされる時だ。

字幕:
「日本の通産省に対し、この番組についての意見を求めた。しかし、通産省はコメントを拒否した。」

(塾長コメント)
証言の中で出てきた口止め料のような「汚いお金」は、私たち国民が払っている電気料金に上乗せされています。

◆ 2014年1月21日付 英テレグラフ紙、同 20日付 ニューヨーク・タイムズ紙、他

東電が公表した3号機内部を流れる水の映像を紹介。ロボットが撮影したもの。水からは高レベルの放射性セシウムおよびコバルトが検出された。東電は、この水の原子炉建屋外への流出はない、としている。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/japan/10585863/New-radioactive-water-leak-discovered-at-Fukushima-plant.html
http://www.nytimes.com/2014/01/21/world/asia/japan-new-leak-detected-at-crippled-reactor.html?_r=0