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【フクシマ・タイムズ】 2014年4月29日 NYT ファクラー記者


2012年ピューリッツァー賞のファイナリストにノミネートされたこともある、ニューヨーク・タイムズ紙のマーティン・ファクラー (Martin Fackler) 記者による報道

◆ 2014年4月27日付 ニューヨーク・タイムズ紙

福島県田村市都路(みやこじ)地区の避難指示を、国が4月1日付で解除した件について報道。

  • 都路地区の村民:「政府やメディアは、放射能は除染されたと言っているが、みんな嘘だ。」
  • 避難指示の解除に伴い、これまで支給されていた月々の賠償金は来年3月で打ち切りとなる。 避難住民は、望もうが望むまいが、帰還を迫られているように感じている。
  • 専門家らの考えによれば、都路地区は、事故による15万人の避難民が今後直面するであろう問題の先触れだ。政府は、原子力産業への批判を抑えるために、事故以前の状態への復旧を目論んでおり、避難住民に帰還を迫る圧力を強めるだろう。
  • 原発被災者弁護団の丸山輝久弁護士:
    「日本国政府は、完全な補償を行えば補償総額が巨額になり、日本で原子力を使うことが賢明なのか、国民が疑問を抱くようになることを知っている。」

http://www.nytimes.com/2014/04/28/world/asia/forced-to-flee-radiation-fearful-japanese-villagers-are-reluctant-to-return.html?_r=0

◆ 日本外国特派員協会 “The Correspondents’ Table” (2014年3月付)

マーティン・ファクラー記者:

(ポッドキャストの 37:40~41:30)

  • 3.11後の日本のメディアは、戦時中の大本営発表と同様、政府からの情報を無批判に垂れ流すという過ちを犯した。
  • 2011年3月末か4月初頭に、福島の南相馬市を訪れたときのこと。市長の桜井さんから、日本の大手メディアは皆、逃げ出してしまって取材に来ないと言われた。後でわかったことだが、日本の某大手新聞は、自紙上では 「心配ない、安全だ」 と報道する一方で、自社の記者を現地から引き揚げる決定をしていた。新聞の名は挙げないが、東京に大きな野球球団を持つ新聞だ。

(ポッドキャストの 51:50~53:20)

  • 日本では、放射能の問題について話すことが、とても難しい。例えば、本当はどれほど酷いのか、など。この問題について話すだけで福島の哀れな人々を傷つけている、だから話すべきでない、という感じだ。でも、それは良くない。僕らが話すことを望んでいないのは、政府の連中だ。なぜなら、政府は賠償金を支払いたくないからだ。
  • 福島で起きていることで、現地(日本)のメディアでは報道されないことが沢山あるように感じる。それは、政府による隠蔽うんぬんというよりも、自粛、自主規制や自己検閲によるものだ。東京新聞のように、東電について強気な報道をする新聞ですら、放射能の問題については報道しようとしない。なぜなら彼らは、どういう訳か、放射能について話すことは愛国的でない、と恐れているからだ。

http://www.fccj.or.jp/news-and-views/club-news-multimedia/403-the-correspondents-table-march-podcast-talking-about-post-3-11-tohoku.html