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【フクシマ・タイムズ】 2014年4月4日 米WIPP放射能漏れ続報


米ニューメキシコ州カールスバッド郊外にある放射性廃棄物地層処分試験施設 (WIPP) が、放射能漏れを起こした件の続報です。(前回のレポートはこちらから: 【フクシマ・タイムズ】 2014年3月1日 米放射能漏れ事故詳報

WIPP は、地下約600メートル超の岩塩層に軍事用核廃棄物を貯蔵。同施設では、2月初旬に地下でトラック火災が起きたのに続き、2月14日には放射能漏れが発生。地表でアメリシウムとプルトニウムが検出されるとともに、同施設の職員らが放射性アメリシウムを吸入して内部被ばくしました。

一方、米ワシントン州ハンフォードの核処理施設でも、3月中旬~下旬に作業員17人が 「有毒ガス」 を吸い込む事故が発生。同施設は地下に核廃棄物を保管していることから、放射能被ばくも疑われます。

米国でも、核廃棄物の保管が大きな問題となっていることが分かります。

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◆ 2014年4月1日付 AP通信

  • 米エネルギー省は、WIPP の実態調査のために作業員8名を地下貯蔵所に送り込む計画であったが、1日、この計画を延期すると発表。作業員の身に着ける放射線計測器が、予定通り届かなかったことを理由として挙げた。
  • 2月14日の放射能漏れ以来、まだ誰も地下に立ち入っておらず、汚染の度合などは不明のまま。

http://bigstory.ap.org/article/re-entry-nuke-dump-postponed

◆ 2014年4月2日付 アルバカーキ・ジャーナル

  • 放射能漏れから7週間経つが、地下で何が起きたのか、まだ誰にも分からない。
  • 2月14日当日、地下に作業員は一人も居なかった。よって、放射能漏れの原因として考えられるシナリオは、天井の崩落かドラム缶の爆発だ。
  • WIPP が操業開始した1999年当初は、貯蔵に使うドラム缶のほぼ全数につき、「ヘッドスペース・ガス」 を検査していた。「ヘッドスペース・ガス」 とは、ドラム缶の内容物とフタの間にたまって破裂や爆発を起こす危険のある、可燃性あるいは腐食性の化学物質のことだ。だが州の規制当局は、時とともにこの規則を緩和していった。

http://www.abqjournal.com/377716/news/wipp-permits-getting-closer-look-after-fire-leak.html

◆ 2014年3月27日付 ロイター US

  • 被ばくした作業員の数は、[前回発表の13人から増えて] 21人に。

http://www.reuters.com/article/2014/03/28/us-usa-radiation-newmexico-idUSBREA2R04I20140328

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◆ 2014年3月25日付、同26日付 KING5.com

  • 米ワシントン州のハンフォードの核処理施設では、職員 11人以上 [最新の報道では17人] が有毒ガスを吸い込んで具合が悪くなった。有害ガスの発生源は、現時点でまだ不明。
  • まず3月19日に、作業員 2人が「銅の味がする」ガスを吸い込んで、頭痛・胸痛・呼吸困難・鼻血・のどの痛みを患っている。内 1人は、血を吐いた。続いて3月25日には、職員 9人が有害ガスを吸い込んで医療施設に搬送された。

http://www.king5.com/news/local/Portion-of-Hanford-evacuated-after-employees-get-sick-from-fumes-252337381.html

http://www.king5.com/news/investigators/Number-of-Hanford-workers-sickened-by-unknown-vapors-rises-to-17-252562811.html