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【FT解説】 コスト高の米原発 閉鎖の危機

政府が策定中のエネルギー基本計画で、原発の位置づけを「基盤となる重要なベース電源」から「重要なベースロード電源」に修正する方向で調整がなされているそうだ。いずれにせよ、原発推進という本質は変わっていない。こういう官僚の作文技術のことを「霞が関文学」と呼ぶ。

だが、原子力ムラが言葉遊びにうつつを抜かしている間にも、世界の潮流は変化している。先日フィナンシャル・タイムズ紙が掲載したこの記事によれば、米国では経済性で劣る原発が廃炉に追い込まれるケースが増える傾向にある、という。ガス火力発電との競争に負けているようだ。

米国のガス価格低下を支えているシェール・ガスのブームがいつまで続くかは疑問だが、少なくとも「原発は低コスト」というロジックが完全に破綻していることは間違いない。

◆ 2014年2月20日 フィナンシャル・タイムズ (紙媒体)

「コスト高の米原発 閉鎖の危機」
(Costly US reactors in danger of shutdown)

  • 米原子力産業の指導者らは、もはや経済性で劣るために閉鎖の危機にある原発が増えていると警告。
  • 向こう5年間で、米国の原子力発電能力は、閉鎖が新設を上回る見込みが高い。
  • 電力市場に自由競争を導入している州では、原子力発電がガス火力発電や風力・太陽光発電などとの競争に苦しんでいる (ただし、風力・太陽光発電は規制上の支援を受けている)。
  • 運転停止した原発につき、修繕費が何十億ドルもかかるため、経済性の観点から再稼働が難しくなるケースが出ている。業界が騒然としたのが、ドミニオン・リソース社のキウォーニー原発 (ウィスコンシン州) とエンタジー社のバーモント・ヤンキー原発 (バーモント州) の閉鎖決定。両原発とも、2030年代まで免許が更新されていながら、利益が出ないため操業継続できなくなった。

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