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【うらおもて歴史街道 No.2】 ウォール街とボリシェヴィキ革命

今回ご紹介する本はこちらです。

書名:                 Wall Street and the Bolshevik Revolution

著者:                 Antony C. Sutton

出版社・年:        Clairview, 2011年

(初版Arlington House, 1974年)

 

 

書名を日本語で言うと、「ウォール街とボリシェヴィキ革命」。本稿作成時点では未邦訳。

資本主義打倒を掲げロシア革命を起こした、レーニンやトロツキーらボリシェヴィキ。そのボリシェヴィキを、ウォール街の資本家が支援していたとしたら?多くの人は、このような仮説を耳にした時、そんなことはあり得ない、と思考停止に陥ってしまうのではないだろうか。何故なら、我々は、資本主義と共産主義の対決という構図を刷り込まれてしまっているからだ。

著者のサットン (1925-2002、カリフォルニア州立大学 経済学教授) は、機密解除になったアメリカ国務省の電文や、海外政府・諜報機関の公文書、伝記を含む非公式資料などに依拠しながら、冒頭の仮説を証明していく。

時は、第一次世界大戦さなかの1917年。ロシアで二月革命が成し遂げられると、トロツキーは革命をさらに推し進めるべく、ニューヨークからロシアに帰国する。この時、トロツキーはアメリカのパスポートを所持してロシア入国を果たすのだが、そのパスポートの供与を取り計らったのは、他ならぬウッドロー・ウィルソン米大統領であった。その帰国の途上、トロツキーがカナダ当局に拘束された時も、アメリカ当局からの圧力で釈放された形跡がある。しかし、これらのエピソードは、軽いジャブに過ぎない。

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