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【フクシマ・タイムズ】 2013年11月25日 シマツ氏のMOX燃料説


◆ 2013年11月24日付 グローバル・リサーチ

http://www.globalresearch.ca/why-tepco-is-risking-the-removal-of-fukushima-fuel-rods-the-dangers-of-uncontrolled-global-nuclear-radiation/5359188

  • 立入禁止区域に調査行を行った結果によれば、文書として記録されていない不法な大規模貯蔵場 (トン数不明) が、福島の核関連施設内にある。
  • [11月19日付] 毎日新聞の社説が何気なく述べているが、4号機の使用済み燃料プールに、未使用の核燃料集合体が202体存在する。この未使用の燃料棒の存在は、東電のプレスリリース (訳注1) でも確認された。同プレスリリースは、キャスク (構内用輸送容器) に移された1体目の燃料集合体を 「未照射燃料」と表現している。使用済み燃料を貯蔵するためのプールに、なぜ未使用の燃料棒が貯蔵されているのか?
  • 元 GE原子力作業者のケイ・スガオカ氏は、ビデオ・インタビューにおいて、2011年3月11日の地震の際、日立とGEの合同チームが4号機内にいたことを明らかにした。 その日の午後、GEの請負作業者らは、新しいシュラウドを取り付ける作業を終わらせようとしていた。シュラウドとは、原子炉内部を裏打ちしている耐熱性の金属シールドである。
  • 東電は、経営陣が退避を命じた3月12日 (訳注2) まで、外国の請負業者が福島第一原発に居たことを、意図せずして認めた。 リーク情報によれば、GEのチームと共に、イスラエルのディモナに本拠があるマグナBSP社の核安全保障チームがその場に居たことが示唆される。
  • 2012年4月、福島の作業者が日本の雑誌とのインタビューで暴露したところでは、 [放射能] 汚染された使用済みシュラウドの破片が、4号機屋上階の使用済み燃料プールの後ろにある機器貯蔵プール内に残置されていた。 これは、疑いようもなく、GE-日立の作業者らが2011年2~3月に取り外した使用済みシュラウドだ。
  • ここで興味深いのは、[取り外された] 従前のシュラウドは、15ヶ月間しか使用されていなかったことだ。 既存のシュラウドがこれからまだ何年も使用可能なのに、東電と日本政府は、 なぜ多額を費やして、新しいシュラウドに [交換しようと考えたのだろうか]?
  • 明らかに、この新しいシュラウドの取り付けは、消耗した旧部品の単なる交換ではなく、アップグレードだったのだ。 4号機のこの改修は、2010年に3号機をプルサーマル/MOX燃料向けに転換したのと同様、 MOX燃料を燃やせるようにGEマークⅠ型の原子炉を改造していたのだ。その際に、未使用のMOX燃料棒を試験的に装着しようとしていた可能性も十分にある。
  • 4号機の使用済み燃料プール内にある「未照射燃料」は、恐らくは高濃縮プルトニウムを含む、新型のMOX燃料で出来ている。もしも4号機建屋の骨組みが崩壊して、使用済み燃料プール内で火災または爆発を引き起こした場合、プルトニウムが強力な中性子バーストのパルスを発し、南方 10キロメートルに位置する福島第二原発を手始めに、遠方の原子力発電所に次々と連鎖 [核] 反応を引き起こす可能性がある。
  • 太平洋沿岸の原発が次々に爆発していくというこのシナリオのために、菅直人首相 (当時) は、東北および首都圏から住民5千万人を退避させる検討を余儀なくされた。
  • 4号機では、2011年3月14日および15日 (訳注3) の二度にわたり、火災が発生している。また、同15日には爆発が起きている。
  • 3号機で爆発が起きてからほどなく、4号機のルーフラインで爆発が起こり、外壁に幅8メートルの穴が2つ開いた。 東電は、通気用配管を通じて3号機から4号機に水素が漏れたためだと、後になって説明したが、 3号機が爆発した時に なぜ4号機が引火しなかったのか、理由は述べていない。
  • [4号機の爆発の損傷の大きさから推論すると、] GE-日立による改修の際に、未使用燃料棒のキャスクが屋上階に残置されていて、 使用済み燃料プールの火災で放出された中性子が、[それと反応を] 引き起こした可能性がある。
  • [4号機使用済み燃料プールの火災が、すぐには消えずに燃え続けたことから推論すると、] トリチウム-プルトニウム反応によって、プール内に気体プラズマが発生した可能性がある。これは、熱核爆弾、すなわち水爆の反応式である。 MOX燃料には、熱核反応を引き起こすに十分な量のトリチウムを生成する能力がある。
  • [事故後の福島第一原発で作業に従事している] 大手建設請負業者のマネジャーである土木技師の (2012年7月時点の) 話では、 4号機の建屋は半分に割れて、互いにもたれかかっており、鉄筋コンクリート製の基礎が「構造的損傷」を受けている。 たとえマグニチュード9.0の地震であっても、[そこまでひどく] 鉄筋コンクリート製の基礎を裂くことはできないだろう、という。
  • では、何であれば、[そこまでひどく] 基礎を裂くことができるのかを尋ねると、[自分は原子力の専門家ではないが、と断った上で] 溶融した核燃料が、コンクリートを焦がしながら貫通した可能性を示唆した。その強烈な高熱には、コンクリートを消石灰の粉と砂に再転換すると共に、 熱いナイフがバターを切るがごとく、鉄筋を切り裂く力がある。

(訳注1) ご参考 東電のプレスリリース: http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1232249_5117.html

(訳注2) 原文では2012年となっているが、2011年の誤記か?

(訳注3) ウィキペディア日本語版では、3月15日および16日となっている。